建物と家財の査定方法

地震保険において、建物や家財の保険金は、どのように査定して算出しているのか?をテーマに解説させて頂きます。

補足として、「地震保険損害認定基準」についても、説明させて頂きます。

建物の査定方法を解説

地震による損害を、契約時期によって「全損」、「半損」、「一部損」の3区分だったのが、2011年1月1日の保険契約以降は、「全損」、「大半損」、「小半損」、「一部損」の4区分に分けて査定します。

詳しく解説

地震による損害は、罹災物件りさいぶっけんんが同時に広範囲にわたって発生する特徴があります。

罹災した被保険物件を、短期間、しかも被保険者相互間の間の公平を保ちつつ、的確に損害認定を行うことで、速やかに保険金を支払い、被災者の生活の安定に寄与することが求められます。

このため、地震による損害を契約時期によって、「全損」、「半損」、「一部損」の3区分、もしくは「全損」、「大半損」、「小半損」、「一部損」の4区分に分けて算出することにして、スピーディで的確な損害認定を図っています。

実際の損害認定に際しては、建物自体の傾斜、沈下を確認するとともに、建物の主要構造部の損害割合から建物全体の損害割合を算出することとしています。

ただし、建物主要構造部に大きな損傷が発生していなくても、内壁、床などに顕著な被害が発生する事があります。

このような場合に対応するために、内壁や床などの主要構造部の損害を調査して損害認定する場合があります。

区分所有建物(マンションなど)の専有部分の損害認定は、当該部分を含む建物全体の認定にもよりますが、専有部分について認定された損害の程度が、建物全体について認定された損害程度より高い場合には、当該専有部分の認定によります。

家財の査定方法を解説

地震保険に求められる「迅速・的確・公平」な損害認定を行うために、家財の損害認定に際しては、個々の家財の損傷状況によらず、「一般的に所有されている代表的な品目の損傷状況によって家財全体の損害程度を認定する手法」によって損害の程度を算出します。

詳しく解説

現行の地震保険損害認定基準では、家財の時価に対する損害額の割合に応じて、

  • 全損(80%以上)
  • 大半損(60%以上80%未満)
  • 小半損(30%以上60%未満)及び一部損(10%以上30%未満)

に分類されています。

認定方法についても規定があり、

個々の家財の損傷状況によらず、家財を大きく5つ(①食器類、②電気器具類、③家具類、④見回り品その他、⑤寝具・衣類)に分類し、その中で一般的に所有されていると考えられる品目の損傷状況から、家財全体の損害割合を算出し、全損・大半損・小半損・一部損の認定を行います。

と書かれています。

なお、マンションの家財については、「家財全体について、これを収容する各専有部分ごとに行います」とされています。

マンションの建物については、「棟建物全体で損害認定し、専有部分の損害が、1棟建物全体より大きい場合には、個別に認定します。」となっているので、取扱いが少し異なります。

地震保険損害認定基準とは?

地震保険損害認定基準は、地震保険における損害認定処理を「迅速・公平・的確」に行うための基準です。

災害に係る住家の被害認定基準市町村長が、災害対策基本法90条の2の罹災証明書を交付する前提として行う、住家の被害認定の基準です。

詳しく解説

保険会社は、地震保険損害認定基準に基づいて損害の程度を認定することになっていますが、これは地震保険特有の制度です。

例えば、火災保険の場合、修理費見積書などを利用して個別に保険の対象の「修復の可否・修理の範囲や費用」などを認定し、その具体的な修理費などに応じて保険金の額が決まるので、損害認定基準は不要になるわけです。

これに対し、地震保険は費用保険になるので、実際の修理費とは関係なく、損害の程度の区分(全損・大半損・小半損・一部損)によって保険金額が決まり、なおかつ、地震保険法に基づく保険商品でもあるので、各保険会社での認定に統一性を持たせる必要があるため、地震保険認定基準が必要なのです。

これに対し、「災害に係る住家の被害認定基準」は、罹災証明書発行のための被害認定に使用されるものです。

この基準では、住家の被害認定は、「災害の被害認定基準」に基づくものですが、これは、国の関係各省庁が被害状況を把握するなどの目的で設けられた統一基準になります。

実際の被害認定方法については、災害に係る住家の被害認定基準運用指針が設けられています。

それぞれの基準は、被害を確認する観点が違っているために、相互に無関係な基準といえます。

実際、地震保険金の請求にあたっては、罹災証明書は必要書類にもなっていないからです。

まとめ

今回のまとめは以下のとおりです。

  • 建物の損害認定は、2011年1月1日より前の契約は3区分、2011年1月1日以降の契約は、4区分に損害状況を分けて査定する
  • 家財の損害認定は、1個1個の損害状況を査定すると時間が掛かりすぎるため、代表的な家財の損傷程度を基準にして、その損傷割合を全体の損傷程度と定義する方法を採用している

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