大規模地震が起きても、地震保険金は支払われる?

今までにないような大規模な地震が発生し、想定以上の損害が発生しても、地震保険金はちゃんと支払われるのかどうか?をテーマに解説させて頂きます。

2016年に大きな被害が出てしまった、「熊本地震」の事例も紹介しながらご説明させて頂きます。

地震の被害が甚大な場合は、地震保険金が減らされる?

損害保険料率算出機構の「地震保険標準約款」の7条(2)には、

「地震保険法第4条(保険金の削減)の規定により、当会社が支払うべき保険金を削減する場合には、当会社は、同法及びこれに基づく法令の定めるところに従い、算出された額を保険金として支払います。」

と規定されています。

そこで、地震保険法の4条を見てみると、以下の様な記述があります。

前条第1項の規定による政府の再保険契約に係る、すべての地震保険契約によって支払われるべき保険金の総額が、1回の地震等につき、当該再保険契約により保険会社等の全てが負担することとなる場合には、保険会社等は、政令で定めるところにより、その支払うべき保険金を削減することができる。

と規定しています。

上記の「前条第1項の規定による政府の再保険契約に係るすべての地震保険契約」とは、火災保険に付帯される地震保険のことを指しています。

現在、上記の総支払限度額(保険会社等の負担額+政府の負担限度額の合計額)は、平成31年4月1日時点で11兆7000億円になります。

この11兆7000億円の根拠は、関東大震災クラスの地震による被害をカバーできるようにとのことですが、この合計額を超過する場合は、地震保険法施行令4条によって、保険金が削減されることになります。

実際の計算式は以下のとおりです。

計算式
支払保険金=算出支払保険金(全損=保険金額×100%、大半損=保険金額×60%、小半損=保険金額×30%、一部損=保険金額×5%)×総支払限度額(保険会社等の負担額+政府の負担限度額の合計額11.7兆円)÷算出支払保険金総額(全算出支払保険金の合計額)

例えば、保険金額が3000万円の建物が全損し、すべての地震保険金の総額を算出したところ、それが20兆円であったすれば、

支払保険金=3000万円×11.7兆円÷20兆円=1755万円

となり、1755万円の保険金が支払われることになります。

地震の規模によっては、3000万円の建物が全壊してしまっても、3000万円分の地震保険金が満額もらえないケースもあるということです。

熊本地震の例を振り返ってみる

地震災害に関することで、最近の大きな出来事といえば、平成28年の4月14日午後9時26分に発生した熊本地震です。

この地震は、前震と本震で震度7が2回観測された特異な地震活動といえました。

気象庁のウェブサイト「平成28年(2016年)熊本地震の関連情報」によると、熊本地震において、震度6弱以上を観測した地震は以下のとおり7回もあることが分かります。

発生時刻 震央地名 マグニチュード 最大震度
4月14日21時26分 熊本県熊本地方 6.5 7
4月14日22時07分 同上 5.8 6弱
4月15日00時03分 同上 6.4 6強
4月16日01時25分 同上 7.3 7
4月16日01時45分 同上 5.9 6弱
4月16日03時55分 同上 5.8 6強
4月16日09時48分 同上 5.4 6弱

4月14日午後9時26分が前震で、4月16日午前1時25分が本震、それ以降が余震と位置づけられています。

地震保険法3条4項には、「72時間以内に生じた2以上の地震等は、一括して1回の地震等とみなす。ただし、被災地域が全く重複しない場合は、この限りではない。」とされています。

したがって、熊本地震においては、前震が発生した4月14日21時26分から数えて、72時間以内である4月17日21時26分までの地震は、すべて一括して1回の地震として査定されています。

改めてみると、熊本地震は、約3日間にわたってもの凄い震度の強い地震が続いていたことが分かります。

まとめ

もし保険金の支払限度額を超えるような、大規模地震の場合は、地震保険金が削減されることがあるということです。

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