警戒宣言

警戒宣言】が発令されると、地震保険に加入できなくなる可能性が出てきます。

今回は、内閣総理大臣が発する【地震災害に関する警戒宣言】が発令されると、地震保険契約はどうなるのか?を解説させて頂きます。

大震法を1分で理解する

最初に、大震法という法律の概要を理解することからスタートです。

大規模地震対策特別措置法(以下、大震法と表現します)の1条には、

この法律は、大規模な地震による災害から国民の生命、身体及び財産を保護するため、地震防災対策強化地域の指定、地震観測体制の整備、その他地震防災体制の整備に関する事項及び地震防災応急対策、その他地震防災に関する事項について特別の措置を定めることにより、地震防災対策の強化を図り、社会の秩序の維持と公共の福祉の確保に資することを目的とする。

と、この法律の目的が明記されています。

この法律は、元々は将来怒る可能性の高い東海地震を想定していて、その地震予知を前提として、地震予知がなされた場合の対応を定めたものです。

具体的には、大震法の9条で、「内閣総理大臣は、気象庁長官から地震予知情報の報告を受けた場合において、地震防災応急対策を実施する緊急の必要があると認めるときは、閣議にかけて、地震災害に関する警戒宣言を発するとともに、次に掲げる措置を執らなければならない」と書いてあります。

しかし、今現在に至るまで、気象庁長官から地震予知情報の報告がされた事例はまだありません。

そもそも確度の高い地震予知が可能なのかも疑問であるし、少なくても日時や場所を特定した地震予知は、現実的に不可能だと考えられているからです。

警戒宣言と地震保険の関係とは?

前項で書いたとおり、大震法の9条に基づいて、内閣総理大臣は地震防災応急対策を実施する緊急の必要があると認めるときは、閣議にかけて「地震災害に関する警戒宣言」を発することになっています。

そして、地震保険法4条の2第1項には、大震法3条の地震防災対策強化地域として指定された地域のうち、その警戒宣言の対象地域内にある保険の対象について、その警戒宣言が発せられた時から地震災害に関する警戒解除宣言が発せられた日までの間に締結された保険契約は無効とする内容が規定されています。

ただし、警戒宣言が発せられた時までに締結されていた保険契約の期間満了に伴い、被保険者及び保険の対象を同一として引き続き締結された保険契約は有効となります。

  • 警戒宣言の発令前に契約した保険=有効
  • 警戒宣言発令後に契約した保険=無効

もっとも、これまでに警戒宣言が発令された事例はないわけで、そもそも警戒宣言の前提となる東海地震(南海トラフ地震の一種)の予知については、中央防災会議の南海トラフ沿いの大規模地震の予測可能性に関する調査部会「南海トラフ沿いの大規模地震の予測可能性について」において、

  • 「南海トラフで発生する大規模地震には多様性があり、地震の発生時期や場所・規模を、正確に予測することは困難である」
  • 「統計データなどに基づく地震発生確率予測手法や、シュミレーションなど、ここで検討したいいずれの手法も、現時点においては、地震の発生時期や場所・規模を確度高く予測する科学的に確立した手法ではなく、大規模地震対策特別措置法に基づく警戒宣言後に実施される現行の地震防災応急対策が前提としている確度の高い地震の予測はできないのが実情である」

と述べられています。

つまり、現在の科学的レベルでは、地震予知を正確にすることは到底不可能であるということを、専門家も言ってしまっているわけです。

結論

もし警戒宣言が発令されてしまった場合、その対象地域に住んでいる人は、地震保険の契約が一時的にできなくなります。

警戒宣言の発令前にすでに契約している場合は、警戒宣言が発令されたとしても、契約は継続されます。

しかし、実際に【地震災害に関する警戒宣言】はまだ一度も出たことがなく、もし現実的に発令された場合は、あまりにも社会的な影響が大きすぎるので、よほどのことがない限り、警戒宣言が発令されることはないと考えても良いでしょう。

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