地震保険の【保険料】はどのように決まるのか?

今回は、以下の様なテーマを取り上げたいと思います。

  • 地震保険の保険料は、どのように決まっているのか?
  • 保険料は、保険会社によって違うのか?
  • また、住んでいる場所や建物の構造によって、保険料が高くなったり安くなったりするのかどうか?

こんな疑問を抱いている方へ、悩みを解決していただける記事を作成しましたので、参考にして下さい。

保険料と割引制度を理解する

どの損害保険会社も地震保険料は同じ

地震保険法5条1項には、

政府の再保険に係る地震保険契約の保険料率は、収支の償う範囲内においてできる限り低いものでなければならない

と保険料の基準について示しています。

しかし、実際の地震保険料は、損害保険料率算出機構が作成する【地震保険基準料率】によって決まっています。

各損害保険会社は、これと同じ料率をそのまま利用して保険料を設定しているので、どの損害保険会社で地震保険に加入しても、保険料は原則同じになっています。

保険料率は、純保険料率(保険金支払額に相当する部分)と、付加保険料率(営業経費や粗利益に相当する部分)を算出していますが、地震保険の公益性を鑑みて、付加保険料率に利益は含まれていないので、各損害保険会社は、地震保険をいくら売ろうが利益が出ない仕組みになっています。

地震保険料率は、損害保険料率算出機構が、地震調査研究推進本部公表の確率論的地震動予測地図に用いられた地震発生データを利用して行う「被害予測シュミレーション」によって保険金の支払い予測を行い、算出されています。

損害保険料率算出機構「地震保険基準料率のあらまし」の12ページによれば、保険料率の算出手順は、

  1. 地震データ
  2. 地形・地盤データによる地震のゆれ・津波の予測
  3. 地域の建物状況・住宅の密集度などによる損壊率・焼失率・流失率の計算
  4. 地域別罹災率
  5. 地震保険契約のデータによる支払保険金の予測

という流れによって算出されます。

このようにして算出した基準料率を、金融庁長官に届出をし、金融庁において、保険料率の3つの原則損害保険料率算出団体に関する法律8条「料率団体の算出する参考純率及び基準料率は、合理的かつ妥当なものでなければならず、また、不当に差別的なものであってはならない」)の適合性について審査が行われます。

これと並行して、損害保険料率算出機構から基準料率の提供を受けた各損害保険会社は、上記審査期間を経過した後に、金融庁長官に基準料率を使用する旨の届出をします。

ちなみに現況の基準料率は、2017年6月15日に金融庁長官への届出をし、2017年7月20日に適合性審査終了となり、2019年1月1日改訂の約款で「地震保険」に反映されています。

地震保険料の算定式

地震保険料は、次の様に算定されます。

地震保険料=基本料率×割引率×長期係数

基本料率については、建物の構造区分所在地(等地)により決まります。

経過措置を除くと、現行の火災保険構造級別に従えば、構造は、イ構造(M構造・T構造)とロ構造(H構造)とに別れ、イ構造の方が安いです。

所在地(等地)は危険度が低い順に、1等地~3等地に分かれていて、1等地が最も安いです。

もっとも、等地については、改正時の緩和措置などがあるので、同じ3等地であったとしても、保険料が違う県もあります。

割引の4つの種類

割引の種類は、「免震建築物割引」、「耐震等級割引」、「耐震診断割引」、「建築年割引」の4種類の割引制度があり、その中で1種類だけが適用されます。

  • 免震建築物割引は、住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下、品確法と呼ぶ)に基づく住宅性能表示制度の免震建築物に該当すること(割引率50%
  • 耐震等級割引は、品確法に基づく住宅性能表示制度の「耐震等級1・2・3」に該当すること(割引率は等級1が10%、等級2が30%、等級3が50%。なお、等級1は、建築基準法の耐震性能を満たす水準、等級2は、等級1の1.25倍の地震に耐えられる基準、等級3は、等級1の1.5倍の地震に耐えられる基準です。
  • 耐震診断割引は、地方公共団体等による耐震診断・耐震改修によって、新耐震基準を満たしていること(割引率10%
  • 建築年割引は、1981年6月1日以降に新築したこと、要するに新耐震基準であること(割引率10%

長期係数について

長期係数は、保険期間を2年から5年とすると、1年加入よりも割引になるもので、現行の係数は以下のようになっています。

保険期間 長期係数 割引率
2年 1.9 5%
3年 2.8 6.67%
4年 3.7 7.5%
5年 4.6 8%

まとめ

今回のまとめは、以下のとおりです。

  • 損害保険料率算出機構が作成する、地震保険基準料率によって保険料は決まる仕組みになっています。
  • 具体的な保険料は、その地域や建物の構造によって違う
  • どの損害保険会社で加入しても、保険料は原則同一
  • 保険料の割引制度は全部で4種類
  • 地震保険料は、【基本料率×割引率×長期係数】で決まる

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