
【その他偶然な破損事故等】とは、もし保険の対象が家財であれば、テレビをテレビ台から落としてしまった場合が該当します。
また保険の対象が建物の場合は、窓ガラスに体をぶつけてガラスを割ってしまった場合等が該当します。
今回は、この【その他偶然な破損事故等】をもう少し詳しく解説させて頂きます。
免責条項以外の偶然の事故であれば、原則補償対象になる
【その他偶然な破損事故等】という定義を明確にする事は、範囲が広くなるので難しい側面があります。
基本的に、保険の対象になっている物が【偶然で突発的な事故】によって損害を被ってしまった場合は、補償対象になると考えて良いでしょう。
ただし、このままでは補償対象の概念が広くなり過ぎるので、各損害保険会社は「この様なケースでは、補償対象から外しますよ」という趣旨の免責条項を設けています。
それでは一例として、損保ジャパンの免責条項を参考に見てみましょう。
損保ジャパンに規定されている免責条項
損保ジャパンの約款2章4条(5)
当会社は、(1)から(4)までの規定のほか、発生原因がいかなる場合でも、次の1から15までのいずれかに該当する損害に対しては、第2条(損害保険を支払う場合)(1)の⑤の不測かつ突発的な事故の損害保険金を支払いません。
- 差押え、収用、没収、破壊等、国または公共団体の公権力の行使に起因する損害。ただし、消防または避難に必要な処置によって生じた損害については除きます。
- 被保険者と生計を共にする親族の故意に起因する損害。ただし、被保険者に保険金を取得させる目的でなかった場合を除きます。
- 保険の対象に対する加工・修理等の作業(保険の対象が建物の場合は建築・増改築等を含みます。)上の過失、または技術の拙劣(技術等が劣っていること)に起因する損害
- 偶然な外来の事故に直接起因しない、保険の対象の電気の作用に伴って発生した電気的事故または機械の稼働に伴って発生した機械的事故に起因する損害
- 詐欺または横領によって保険の対象に生じた損害
- 土地の沈下、隆起、移動、振動等に起因する損害
- 義歯、義肢、コンタクトレンズ、眼鏡その他これらに類する物に生じた損害
- 楽器の弦(ピアノ線を含みます)の切断または打楽器の打皮の破損。ただし、楽器の他の部分と同時に損害を被った場合を除きます。
- 楽器の音色または音質の変化
- 風、雨、雪、雹、砂塵その他これらに類するものの吹き込みまたはこれらのものの漏入により生じた損害
- 移動電話等の携帯式通信機器およびこれらの付属品について生じた損害
- ラップトップまたはノート型パソコン等の携帯式電子事務機器およびこれらの付属品について生じた損害
- 電球、ブラウン管等の管球類に生じた損害。ただし、他の部分と同時に損害を受けた場合を除きます。
- 動物または植物について生じた損害
- 自転車もしくは総排気量が125cc以下の原動機付自転車またはこれらの付属品について生じた損害
まとめ
例えば、テレビは補償の対象となりますが、パソコンやスマートフォン等は、上記11.と12.に書いてあるように、補償対象にはなりません。
理由は、パソコンやスマートフォン等は持ち運びが簡単にできるので、事故の確率が非常に高いからです。
損害保険会社側がみれば、事故率の高い物を保険の対象には出来ないのです。
他にも、5.の様に詐欺や横領も当然補償対象外です。被保険者の意思が介在してしまう可能性が非常に高く、モラルリスクが高まるからです。
※治安の良い日本では、頻繁に盗難される被保険者は想定しにくいですが、頻繁に詐欺や横領に遇う被保険者もリスクとして想定しなければいけないので、免責条項に規定されています。