
「火災保険と火災共済って、具体的に何が違うの?」と聞かれる事があります。
答えはシンプルで、運営母体、監督官庁及び補償内容、根拠とする法律が違うだけで、基本的には火災保険と共済保険の中身は殆ど同じ性質を持っている保険になります。
火災保険と火災共済の法律上の違いはない
かつては、共済には旧商法の保険規定の適用が無かったので、旧商法の準用などを主張する学説がありました。
しかし、保険法が共済に対しても保険法が適用される事を明示されたので、火災保険と火災共済の法律上の違いは無いといっても良いでしょう。
保険法2条1項には、「保険契約 保険契約、共済契約その他いかなる名称であるかを問わず、当事者の一方が一定の事由が生じたことを条件として財産上の給付(生命保険契約及び傷害疾病定額保険契約にあっては、金銭の支払に限る。以下「保険給付」という。)を行うことを約し、相手方がこれに対して当該一定の事由の発生の可能性に応じたものとして保険料(共済掛金を含む。以下同じ。)を支払うことを約する契約をいう。」と書いてあります。
保険者が非営利団体と株式会社との違いは存在する
火災共済は、根拠法に基づいて設立されているJA共済、全労済、CO・OP共済等の非営利団体が保険者となっていますが、火災保険の保険者は営利を目的とした株式会社になっています。
しかし株式会社だからといって、非営利団体よりも保険料が高いというわけではないです。
保険商品の違いは?
保険商品として比較すると、火災共済が住宅火災保険をメインとしていて、火災保険は住宅総合保険をメインの商品としているのが違いと言えます。
具体的には、台風等の風水害を含むかどうかです。
火災保険の住宅総合保険には、風水害が補償に含まれていますが、火災共済には含まれていません。
しかし、共済では風水害の為の補償は、自然災害共済という商品で補償される様になっています。
別に自然災害共済に加入すれば、火災保険の住宅総合保険と同等レベルの補償内容になっているので、保険商品としての違いも無くなりつつあるのが現状となっています。