
最近の火災保険にはどんな種類があるのか?・・そんな疑問に簡潔にお答えします。
火災保険の定義とは
まずは、火災保険の定義を考えてみましょう。
火災保険とは、「当事者の一方が、静止状態にある建物や動産に対して、偶然の火災事故が発生する事によって、相手方に生じた損害をてん補する事を約束して、相手方がその報酬として保険料を支払う事を約束した時に効力が生じる保険契約」という考え方があります。
より分かりやすい言葉にすると、「火災をもって保険事故とする損害保険契約」と言えます。
例えば、動産であっても、場所的移転を伴う自動車や飛行機、船舶等の火災事故とする保険については、それぞれに自動車保険、航空保険、船舶保険、運送保険で補償されるので、これらは火災保険とは呼ばれません。
火災保険の変化の歴史
以前の火災保険というのは、名前の通り火災による事故に限定した保険商品で、ストレートファイヤーと呼ばれていました。
しかし、近年の火災保険では、補償対象になる保険事故を火災に限定せず、地震以外の自然災害に対しても補償されるような保険商品に変化してきているのです。
これは、1959年(昭和34年)9月26日に発生した「伊勢湾台風」がキッカケで、火災以外の風水害等に対しても補償対象を拡大した住宅総合保険が認可され、その後に「不測かつ突発的な事故」によって保険の対象について生じた損害もカバーするオールリスク保険が認可されるようになりました。
つまり、最近の火災保険は、その名前自体が保険商品の性質と違うものになっているのです。
家計分野と企業分野で違う火災保険
被保険者が消費者なのか、あるいは事業者かによって保険商品が違いますので、これをご説明します。
家計分野の火災保険
家計分野の火災保険は、保険事故によって「住宅火災保険」と「住宅総合保険又はオールリスク保険」があります。
最近ではセゾン自動車火災保険等が組立型火災保険を販売していて、住宅火災保険を基本として、保険契約者において希望する保険事故を選択できる様になってきています。
企業分野の火災保険
企業分野の火災保険としては、普通火災保険、店舗総合保険等があります。
家計分野の火災保険とは違い、必ずしも保険事故による分類がされていません。
また、店舗総合保険は、本来は小規模店舗や店舗併用住宅を補償対象としている保険商品ですが、実態は大規模店舗等についても補償される様になっています。
火災保険=住宅総合保険
損害保険会社それぞれの保険商品を見てみると、火災事故の補償は、住宅総合保険の範囲に組み込まれているので、火災保険の加入を検討している方は、住宅総合保険に加入するという事になります。
※ちなみに火災保険に加入する時は、建物と家財は別々に契約します。また、1個(1組)の価値が30万円を超える貴金属等は明記物件(保険証券に明記する事で補償の対象になる)になるので、個別に申告しなければ補償されないので注意が必要です。