火災保険契約の解除や失効

今回は、以下の2つのテーマについて解説させて頂きます。

  • 火災保険契約が解除された場合、どんな効力が生じるのか?
  • どんな時に失効してしまうのか?をテーマに解説します。

解除された場合の効力とは?

火災保険契約の解除の効力は、将来効(将来に向かってのみその効力を生じる)ですが、例外的に解除までに発生していた保険事故について、保険者側が免責になるケースもあります。

解説

解除の効力が将来効となっているのは、以下の2点の考え方に基づいています。

  1. 保険者による既経過期間(保険会社が補償する責任を既に果たした期間)の保険料の取得などを正当化するための立法措置という意味
  2. 保険契約者に契約上の違反などがなく、契約が正常に継続していた期間についてまで、事後的な事情によって保険契約者の保護を遡及的に奪うことは、契約者の規定を裏切ることになるため

つまり、解除の効力が将来効なので、解除時までに発生していた保険事故については、原則として「保険者は保険金の支払義務があり、保険契約者も解除時までの保険料の支払義務がある」ということになります。

しかし、告知義務違反(保険法28条)、危険増加(保険法29条)、重大事由(保険法30条)の場合には、解除時までに発生していた保険事故について、保険会社は保険金の支払いは免責され、法的な支払義務は無いことになっています。

火災保険金を受け取ったら解除になる?

例えば、火災で自宅が全損被害になり、保険金を受け取った場合、火災保険契約は失効します。

しかし、全損(保険金限度額の8割相当)までの被害でなかった時は、契約は継続されます。

解説

そもそも保険契約というのは、被保険者が保険の対象に対して被保険利益を有することが前提条件になっています。

つまり、保険の対象が全損になった場合は、被保険利益も失うことになるので、その結果、保険契約の存在意義も失うことになります。

例えば、損保ジャパンの約款にも、以下の様な記述があります。

保険契約締結の後、次の①又は②のいずれかに該当する場合は、その事実が発生した時に保険契約はその効力を失います。

  • 保険の対象の全部が滅失した場合。ただし、第25条(保険金支払後の保険契約)の規定により、保険契約が終了した場合を除きます。

なお、損保ジャパンの約款の3章25条(1)は、「この普通保険約款に規定する損害保険金の支払額が、それぞれ1回の事故につき保険金額(注)の80%に相当する額を超えた場合は、この保険契約は、その保険金支払の原因となった損害の発生した時に終了します。」と書いてあります。

この意味は、全損だけじゃなくても保険金額の80%を超えた時にも契約が終了するという意味です。

被害が全損の8割以下の場合、保険金支払額は保険金額に満たない場合が多いです。

この場合、次の事故の保険金額がどうなるかについては、残存保険金額方式(既払保険金支払額が保険金額から控除される)と、保険金額自動復元方式(保険金支払があっても、保険金額は変わらない)という2つの方法があり、家計分野の火災保険では保険金額自動復元方式が採用されています。

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