
例えば、突発的で大きな地震が起き、それが原因で数百メートル先で火の手が上がり、数時間後後に自宅にも延焼してしまった場合、火災保険の補償対象になるのでしょうか?
今回は、こんな疑問や不安にお答えしたいと思います。
火災保険は、地震による火災は補償対象外
火災保険においては、地震もしくは噴火、又はこれらによる津波によって生じた損害は免責となりますが、地震火災費用保険金は免責にならずに保険金が支払われます。
例えば、損保ジャパンの約款2章4条(2)には以下の様に規定されています。
当会社は、次の①から③までのいずれかに該当する事由によって生じた損害または費用(注4)に対しては、保険金を支払いません。
ただし、次の②に該当する場合であっても前条②の地震火災費用保険金については、保険金を支払います。
※②は「地震もしくは噴火またはこれらによる津波」と規定
上記の規定は、地震免責と地震火災費用保険金の支払いが明記されています。
要は「火災保険としては地震は補償対象外だけど、地震火災保険の範囲内で保険金は支払いますよ」という意味になります。
なお、上記の(注4)は、以下の様に書いてあります。
①から③までのいずれかに該当する事由によって生じた損害または費用、①から③までの事由によって発生した第2条(損害保険金を支払う場合)および前条に揚げる事故が延焼または拡大して生じた損害または費用、および発生原因がいかなる場合でも第2条および前条に揚げる事故がこれらの事由によって延焼または拡大して生じた損害または費用を含みます。
ややこしい文章ですが、上記の意味は、「火災保険では、地震等による火災の延焼によって生じた損害又は費用については免責になる」という意味です。
免責となる理由は?
地震による延焼が火災保険から免責となる理由としては、火災保険と地震保険の守備範囲を分けて、地震等を保険事故とする損害保険金は「地震保険」から支払うという制度設計になっているからです。
あくまでも地震火災費用保険金は地震被害によって支払われるので、地震保険に加入しておけば良いだけです。
地震火災費用保険金は、地震等による火災により、建物が半焼以上、または家財が全焼となった場合に保険金額の5パーセントが支払われます。