
もし不動産投資物件の近くに、大きな大学のキャンパスや研究施設、または大企業の工場等が存在していたら、「よし、稼働率が100%になるかも!」と思って、購入しようとしてしまうかもしれません。
そこで今回は、【近隣に大学のキャンパスや、大企業の工場等がある物件を購入するのは良い選択かどうか?】をテーマに解説させて頂きます。
依存物件は、推奨しません
ある不動産投資物件が、大学や工場に入居者を依存している事を、業界では依存物件と呼びます。
「近くに大きな大学キャンパスがあるから、毎年新しい入居者が見込まれるだろう!」とか、「一流企業の大きな工場があるから、稼働率が高くなるだろう!」という思惑が強く働き、高い稼働率が見込まれる物件が依存物件です。
しかし、以下の様な依存物件に該当するようなものは基本的にオススメできません。
近くに大学がある
今の時代は少子高齢化が進んでいて、それによって増えすぎた大学が今後確実に淘汰されていく時代に突入しています。
現在では、私立大学の約40%が定員割れの状況で、特に地方の私立大学ではより顕著な傾向になっています。
地方の私立大学が近くにある不動産物件を検討する時は、もしもその大学が閉鎖や移転をしても、他の需要によって高い稼働率や利回りを確保する可能性が高いか?と自問自答する必要があります。
もし自問自答して確信が持てない時は、キッパリ投資の対象から外しても良いでしょう。
近くに工業団地がある
特定の企業や工業団地に依存している不動産物件も、上記の大学と同じで原則としてオススメできないです。
今は新型コロナウイルスの影響もあり、どんな大きな企業の工場でも絶対倒産しないなんてことは断言できないからです。
もし工業団地が存在しなかったとしても、稼働率が高くキープ出来るような要素が他になるのであれば検討の余地はありますが、「工業団地があるから買いだ」という発想しかできない環境の物件だと、リスクが高いと個人的には思っています。
有名な温泉街の近くにある
時々、不動産ポータルサイト等に「高い利回り物件」というフレーズで温泉街にある投資物件が掲載されている事があります。
しかし、温泉街にある物件は、その温泉街で働く人たち以外の需要は殆ど無いのが現状だと思います。
さらに近所に管理してくれる不動産会社もないことも多いです。
一見すると、かなり高い利回りの物件でも、温泉街の物件はリスクがあると思います。
結論
特定の「〇〇があるから」という1つの長所に依存するような物件はハイリスクだと思った方が良いと思います。
キャッシュフローを安定的に生み出せるような要素が、一つではなく複数あるのであれば検討の余地がありますが、特定の要素に依存するような物件は、避けた方が良いでしょう。